ポートフォリオ最適化¶
このセクションでは、現代ポートフォリオ理論(MPT)に基づいて行った確定拠出年金商品のポートフォリオ最適化の結果を紹介します。
効率的フロンティア¶
効率的フロンティアは、特定のリスクレベルにおいて最大のリターンを提供するポートフォリオの集合を表すグラフです。以下は分析対象ファンドから構築した効率的フロンティアです。

※グラフを表示するには、上記リンクをクリックしてください。
このグラフには以下の要素が含まれています:
青い曲線: 効率的フロンティア
緑の星: 最小リスクポートフォリオ
赤の星: 最大シャープレシオポートフォリオ
個別のドット: 各ファンドの単体でのリスク・リターン特性
効率的フロンティア上の任意の点は、特定のリスクレベルに対して最大のリターンを提供する最適なポートフォリオです。投資家は自身のリスク許容度に基づいて、効率的フロンティア上から適切なポートフォリオを選択できます。
最小リスクポートフォリオ¶
最小リスクポートフォリオは、効率的フロンティア上で最もリスクが低いポートフォリオです。以下はその資産配分です。

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最小リスクポートフォリオの詳細¶
ファンド名 |
配分比率(%) |
|---|---|
三井住友TDC日債S |
96.57 |
大和投信バリュー株DC底力 |
3.43 |
その他のファンド |
0.00 |
特性:
非常に保守的なポートフォリオ
国内債券に大部分を配分
値動きの安定性を重視
低リターンだが低リスク
推奨対象者:
リスク回避的な投資家
退職直前の資産保全段階の投資家
元本保全を最優先する投資家
最大シャープレシオポートフォリオ¶
最大シャープレシオポートフォリオは、リスク調整後のリターンが最も高いポートフォリオです。リスクフリーレートを上回るリターンをリスクで割った値(シャープレシオ)が最大になるよう設計されています。

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最大シャープレシオポートフォリオの詳細¶
ファンド名 |
配分比率(%) |
|---|---|
三井住友TDC日債S |
64.45 |
大和住銀DC海外株式 |
28.21 |
ニッセイ日経225インデックス |
7.34 |
その他のファンド |
0.00 |
特性:
バランスのとれたリスク・リターン特性
リスク単位あたりのリターンが最大化
国内債券を中心としつつも、株式にも一定の配分
資産間の相関の低さを活用した効率的な分散投資
推奨対象者:
長期投資家
バランス型の投資を好む投資家
効率的な投資を求める投資家
カスタムポートフォリオの検討¶
上記の最適ポートフォリオは、数学的に最適な解を提供しますが、実際の投資では以下の点も考慮することをお勧めします:
年齢に基づく配分調整¶
一般的な指針として、「100 - 年齢 = 株式の配分比率(%)」という考え方があります。例えば:
30歳: 70%を株式、30%を債券
40歳: 60%を株式、40%を債券
50歳: 50%を株式、50%を債券
60歳: 40%を株式、60%を債券
リスク許容度に基づく選択¶
最小リスクポートフォリオと最大シャープレシオポートフォリオの間で、自身のリスク許容度に合わせた配分を検討できます:
保守的: 最小リスクポートフォリオに近い配分
中程度: 最大シャープレシオポートフォリオに近い配分
積極的: 最大シャープレシオよりも株式比率の高い配分
リバランスの重要性¶
どのようなポートフォリオを選択したとしても、定期的なリバランス(例:年1回)を行うことで、目標とする資産配分を維持し、「安く買って高く売る」効果を得ることができます。これにより、長期的なパフォーマンスが向上する可能性があります。